専門誌『企業実務』掲載事例から考える/問い × 問いナッジ × 問い文化
答えを教える前に、
本人の頭を起動する。
人は、問われると少し考える。立ち止まり、思い出し、自分なりの答えを探す。その小さな「考えるきっかけ」が、職場を変える。
問いのある組織は、指示だけで動く組織とは違う。
考え、問い直し、対話し、選び直せる。
SECTION 1
会議がスムーズだから、組織が考えているとは限らない。
産業医・川瀬氏は、会議や1on1の現場で、表面的には関係性も悪くなく、報連相も進んでいるのに、「思考」「迷い」「探求の余白」がなく、問いが存在しない状態への違和感をnoteで述べています。問いのある組織という考え方の、外部共鳴事例として紹介します。
- 指示待ち
- 形骸化した改善活動
- 遠慮や自己検閲
- 気づいている問題の放置
問いが失われた組織では、こうしたことが起きやすいと整理されています。
SECTION 2
会社が説明したからといって、本人の頭が動いたとは限らない。
よくある企業の流れ:
しかし、「理解した」と「自分で考えた」は別。
SECTION 3
問いの価値は、「回答」より前に始まっている。
問いには、次のような働きがあります。
SECTION 4
問いを見たとき、頭の中で起きること
注意が向く
今日、一つ減らせるムダは?
→ ムダに注意が向く。
記憶を探す
最近、うまくいった共有は?
→ 過去の場面を思い出す。
自分ごとになる
あなたなら、どうする?
→ 他人事から自分へ。
選択肢を探す
今日、一つ試すなら?
→ 行動候補を考える。
行動場面を想像する
どこで使えそう?
→ 実際の場面が浮かぶ。
SECTION 5
正解を渡されるより、自分で考えた方が当事者になりやすい。
川瀬氏のnoteでは、問いについて、次のような組織的な意味が整理され、問いを持つ文化が内省と学習を支えるとされています。
SECTION 6
変化に強い組織は、正解を持っている組織とは限らない。
変化が起きたとき、「今まで通りやる」だけではなく——
- この方法でいいのか
- そもそも何のためか
- 顧客は本当にこれを求めているか
- 今の目標は現場と合っているか
- 他のやり方はないか
川瀬氏のnoteでも、問いがあることで現場が立ち止まり、考え、対話を始めることが組織変化の土台として述べられています。
SECTION 7
問いを出せる職場には、「正解じゃなくても言える余白」が必要。
例えば、次のような言葉を出せるか。
川瀬氏のnoteでも、問いを発するには安心感が必要であり、問い・迷いを出せる関係性と心理的安全性の重要性が述べられています。
SECTION 8
7秒の問いでも、人の頭は少し動く。
問いというと、会議で深く考える、1on1で内省する、長時間対話する、哲学的な問いを扱う——というイメージがあります。それも大切です。しかし、問いは、毎回深くなくていい。
のような問いでも、ほんの数秒、「自分なら何かな?」と考える。
SECTION 9
深い問いと、小さな問い
深い問い
主な場面
- 会議
- 1on1
- ワークショップ
- 経営会議
- 組織開発
- 振り返り
例
そもそも、私たちは何のためにこの仕事をしている?
役割
- 意味を問い直す
- 対話を深める
- 前提を疑う
小さな問い
主な場面
- 出勤時
- 退勤時
- 研修後
- 朝礼
- 仕事の途中
- 日常の数秒
例
今日、一つ良くするなら?
役割
- 注意を向ける
- 思い出す
- 一つ選ぶ
- 小さく動く
SECTION 10
ほんの一問が、「いつも通り」に小さく割り込む。
SECTION 11
深い回答より、まず一度考えること。
問いナッジでは、次のような形でも成立します。
なぜなら、会社が回答内容を知ることだけが目的ではないから。
SECTION 12
問いなら、何でもいいわけではない。
詰問になりやすい問い
- なぜできなかったの?
- どうして分からないの?
- 本当にやる気ある?
- ちゃんと考えた?
→ 評価・防御・正解探しを生みやすい。
思考をひらく問い
- 今日、一つ変えるなら?
- 今できる小さな一歩は?
- 誰かに相談するとしたら?
- もう少し良くするとしたら?
- 他のやり方があるとしたら?
→ 注意・探索・選択につながる。
SECTION 13
問いで頭を起動し、ナッジで動きやすくする。
問い
注意・記憶・思考を起動する
ナッジ
望ましい行動を選びやすい環境をつくる
問いナッジ
問いと選択肢によって、気づき・思考・選択・小さな行動までを設計する
SECTION 14
いい問いを思いついたときだけ使うのではなく、日常に置く。
問いは、さまざまな場面に置けます。
SECTION 15
出勤・退勤の数秒にも、問いは置ける。
その一つの実装手段が、スコキンなどの問いナッジです。
出勤時
- 今日、一つ自分から動くなら?
退勤時
- 今日は、自分から動けた瞬間は?
ただし、スコキンそのものが目的ではありません。
SECTION 16
全員が、問い手にも回答者にもなる。
私たちは何を大切にする?
チームを一つ良くするなら?
この仕事、もっと良くできない?
他にできることある?
今日、一つ変えるなら?
SECTION 17
「何を問おう?」と考えた瞬間、すでに職場を見始めている。
問いをつくる役割が広がっていくと、社員自身も、今の職場に何が必要か、何を意識した方がいいか、何を良くしたいかを考えることになる。
SECTION 18
正解を守るだけではなく、必要なら問い直せる。
川瀬氏はnoteのまとめで、変化の激しい時代に強い組織を、問い続けられる組織として描き、問いが思考・関係性・主体性を深めると述べています。
学習した先に、また新しい「問い」が生まれる。
SECTION 19
ただ疑問文にすればいいわけではない。
問いナッジでは、例えば次の9視点から問いを設計します。
焦点性
何に注意を向けるか。
答えやすさ
数秒でも反応できるか。
感情フック
少し心が動くか。
反復
日常で繰り返せるか。
自分ごと化
自分の仕事・行動として考えられるか。
小さな一歩
行動が大きすぎないか。
ユーモア
管理感を和らげられるか。
匿名安心
答えたくないことを守れるか。
対話誘発
人と人の会話につながる可能性があるか。
SECTION 20
何でも「問い返せばいい」わけではない。
- 法令違反
- ハラスメント
- 重大な安全問題
- 深刻な人員不足
- 明確な判断が必要な危機
- 経営側が決めるべきこと
まで社員へ問い返してはいけません。
SECTION 21
こんな企業に向いている
- 指示待ちが多い
- 「自分で考えて」と言い続けている
- 会議で問いが出ない
- 改善活動が形骸化している
- 社員が職場課題を自分ごと化しない
- 管理職ばかりが考えている
- 研修後に本人の思考が続かない
- 心理的安全性を対話へつなげたい
- 問いを組織開発に活かしたい
- 問い文化を職場に根づかせたい
御社では、社員に何を「考え始めて」ほしいですか?
職場に置く「問い」を相談する 問い文化のつくり方を相談する答えを教える前に、何について気づき、考え、選んでほしいのか。御社の課題から、日常に置く問いを一緒に設計します。
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