専門誌『企業実務』掲載事例から考える/問い文化 × 自走する組織

「問いを与える職場」から、
「みんなで問い合う職場」へ。

問いを考えると、職場のことを考え始める。誰かの問いに答えると、また少し考える。その小さな循環が、みんなで考えて動く組織につながっていく。

問いは、一人ひとりの頭を起動するだけではない。職場全体に「考える」を広げるマイクロインターベンション。

左:上司中心で問いは上から与えられ社員は答えるだけの職場。中央:社長からマネージャー、現場リーダー、スタッフへと問いづくりの役割が広がっていく様子。右:問い・気づき・考える・声かけ・改善・提案が循環し、みんなで問い合う職場になる様子を示す3段階の図解

問いをつくる側に回ると、職場を見るようになる

問いに答えるだけではなく、自分が問いをつくる側に回る。
問いをつくろうとすると、人は考えます。

今、職場で何が気になっているか
どんなことをみんなに意識してほしいか
最近どこで困っているか
もっと良くできることは何か
誰にどんな行動をしてほしいか
自分たちは何を見落としているか

問いをつくること自体が、職場を見る行為になる。

「もっと自分たちで考えて」。でも、考えているのはいつも管理職だけになっていませんか?

  • 管理職が全部判断する
  • 問題が起きると上司待ちになる
  • 改善案はいつも同じ人からしか出ない
  • 現場リーダーも上司の指示を待つ
  • 社員は聞かれたことには答えるが、自分から問いを出さない
  • 職場の課題を経営者だけが考えている

自走する組織をつくるには、「考える役割」そのものを職場全体へ広げる必要がある。

自分たちで動いてほしい。でも、「考える」は上司の仕事になっていないか?

自走してほしい
↓
管理職が課題を見つける
↓
管理職が答えを考える
↓
管理職が問いを出す
↓
社員が答える
↓
社員は職場全体を考える側には回らない
↓
管理職依存が続く
ここにキャズムがある

問いに答えてもらうだけでなく、問いをつくってもらう。

「みんなに何を聞こう?」だけではなく、「今、この職場で何が大事なんだろう?」を考えることになる。例えばスタッフが、

今日、もっとスムーズにできそうなことは?
最近、助けてもらったことは?
今日、一つだけ丁寧にしたい仕事は?
もっと良くできそうなことは?
今、チームで共有したいことは?

そのスタッフ自身も、そのテーマについて考えている。

問いづくりは、職場を見るアンテナを増やす。

「1人が職場を見る」「5人が見る」「みんなが見る」の3段階で、問いをつくる人が増えるほど職場を見る目が組織全体へ増えていく様子を示す図解

自走する組織とは、指示する人を減らした組織ではない。気づき、考える人を増やした組織。

一人で考えるのではなく、問いを職場に置く。

一人の気づき→ 問いになる→ みんなが少し考える→ それぞれの行動に影響する→ また別の人が問いをつくる
⟲ また別の人がつくった問いから、この循環が続いていきます。

一人の問題意識が、問いを通じて職場全体の思考へ広がる。

一人ひとりが、ほんの少し職場について考える。

誰かが問いをつくる→ 職場に置く→ みんなが7秒考える→ 一人ひとりが少し気づく→ 声をかける→ 共有する→ 一つ改善する→ また誰かが問いをつくる
⟲ 改善のあとも、また誰かが問いをつくり、この循環が続いていきます。

問いが自走する組織を直接つくるのではない。問いをみんなでつくり、問い合うことで、考える人と動く人が少しずつ増えていく。

一人が自発的でも、組織は自走しない。

従業員の自発性

自分で考える→ 自分で選ぶ→ 自分で一つ動く

自走する組織

誰かが問いを持つ→ みんなで考える→ 共有する→ 役割を調整する→ 複数人が動く→ また新しい問いが生まれる

自発性は個人の動き。自走は、その動きが人と人の間につながった状態。

答えを出し続ける人から、問いが生まれる場をつくる人へ。

今日、自分が答えを出さなくてもいいことは?
現場に考えてもらえることは?
今日、一つ問い返すなら?
誰かに問いづくりを任せられない?
自分がいなくても回るために、何を共有しておく?

管理職が問いを独占しないことも、自走する組織づくりの一部。

社長の問いから、みんなの問いへ。

専門誌『企業実務』掲載事例として、フェリコで起きた「問いの民主化」を紹介します。

01
社長・マネージャーが問いをつくる
02
現場リーダーにも任せる
03
スタッフにも問いづくりを任せる
04
問いをみんなで共有する
05
職場について考える人が増える
06
気づき・改善・提案・行動が広がる

問いの作り手が広がることは、職場を考える主体が広がること。

実際に見られた変化

専門誌『企業実務』掲載事例として、次のような変化が見られました。

  • 自主性・積極性が高まった
  • 職場の課題を自然に考えるようになった
  • 改善を考えるようになった
  • 提案力が高まった
  • コミュニケーションや連携がよくなった
  • 業務推進力が高まった
  • セルフマネジメント力が高まった
  • 能力を発揮しやすくなった

※ 問いをつくり、共有したことが、そのまま自走する組織を生んだと単純に結びつけるものではありません。問いづくりと問いの共有によって、職場について考える機会が広がり、さまざまな小さな行動変化が積み重なった結果として、これらの変化が見られました。

「自分たちで考えて」は、放置とは違う。

自走するためには、次のようなものが必要です。

  • 必要な情報
  • 役割
  • 権限
  • 判断基準
  • 目的
  • 心理的安全性
  • 相談先
  • 必要なスキル

問いは、責任を現場へ押しつけるための道具ではない。会社側が必要な環境を整えたうえで、考えるきっかけを職場全体へ広げる。

問い文化は、「毎日質問される職場」ではない。

  • 上司だけが問うのではない
  • 社員だけが答えるのでもない
  • 誰かが問いを持つ
  • それをみんなと共有する
  • みんなが少し考える
  • 次は別の人が問いを持つ

問いを問う人と答える人が固定されない。みんなが問い手にも、回答者にもなる。それが問い文化。

問いを自由にする。でも、良い問いが生まれる仕掛けはつくる。

問いナッジでは、次のようなことまで設計します。

何を意識してほしいか
どんな行動につなげたいか
誰が問いを考えるか
どのくらい自由にするか
答えやすいか
管理的になっていないか
誰かを責める問いになっていないか
小さな改善につながるか
どう問い手を広げていくか

問い文化=みんなで問いを生み、問い合う職場/問いナッジ=その問いが小さな気づきや行動につながるよう設計する方法。

実装方法

スコキン

日々の問いを職場に置き、問いの作成役を経営者・管理職から現場リーダー・スタッフへ少しずつ広げる。

問いステーション

職場単位で、社員自身が考えた問いを共有しやすくする。

セミナッジ

リーダーシップ研修や組織開発研修後に、「職場にどんな問いを置くか」を日常で考えてもらう。

ツールを置くことより、「誰が問いをつくるか」を設計することが重要。

問い文化は、問いの作り手を広げるところから始められる。

01
経営者・人事がつくる
02
管理職にもつくってもらう
03
現場リーダーへ広げる
04
スタッフ自身がつくる
05
問いを共有し合う

最初から全員に任せる必要はない。少しずつ問いの作り手を増やしていく。

こんな企業に向いています

  • 上司がいないと仕事が止まる
  • 管理職に判断が集中している
  • 現場が職場課題を自分事化していない
  • 改善提案が少ない
  • 社員同士で考え合う場がない
  • 管理職が全部考えて疲弊している
  • 現場リーダーを育てたい
  • 自走する組織をつくりたいが、何から始めればよいか分からない
  • 社員にもっと職場全体を見てほしい
  • 「問いを与える」だけでなく、「問いが生まれる職場」をつくりたい

御社では、誰が「問い」をつくっていますか?

自走する組織につながる「問い文化」を相談する 問いの作り手を職場に広げる方法を相談する

経営者・管理職だけで問いを考えるところから始めても構いません。そこから、現場リーダー、スタッフへと少しずつ問いの作り手を広げ、「みんなで職場を考える状態」をどうつくるか一緒に設計します。