企業の「変わらない」を考えるシリーズ

クレーム削減

クレーム対応より、
クレームの”手前”を変える。

「何か不満につながりそうなことはない?」
「もう一つ確認しておくことは?」
そんな小さな問いが、サービスの質を少しずつ変えていく。

問いは、顧客の小さな不満や違和感を早めに意識するマイクロインターベンション。

専門誌『企業実務』掲載事例から考える
問い文化 × クレーム予防 × 顧客満足

クレーム発生後の顧客対応の様子(顧客が怒っている・担当者が謝る・上司に報告・再発防止会議)と、その

クレームになる前には、何が起きていた?

大きな不満の前に、小さな違和感があったかもしれない。

例えば、

説明が少し足りなかった
一度確認しなかった
返答が少し遅れた
引き継ぎが抜けた
相手の期待を確認しなかった
忙しくて対応が雑になった
小さなミスを「大丈夫だろう」で流した

その時点では、大問題ではない。
しかし、
小さなズレが積み重なって、大きな不満になることがある。

クレームは突然生まれるとは限らない。
その手前に、小さな予兆があることも多い。

クレーム予防は、サービス版の「KY」かもしれない

「この先、何が問題になりそう?」を少し考える。

安全管理では、「どんな危険が潜んでいるか」を事前に考えるKY(危険予知)の考え方があります。サービスの現場でも同じように、

1顧客が不満に感じそうなことはないか
2誤解されそうな説明はないか
3期待とのズレはないか
4返事が遅れそうな案件はないか
5一言伝えておいた方がいいことはないか

と考えることができます。

クレーム予防とは、顧客対応の”危険予知”でもある。

クレーム削減のキャズム

「丁寧にしよう」と「本当に一手を足す」の間にキャズムがある。

「丁寧に対応した方がいい・確認した方がいい・早めに連絡した方がいい」という3つのステップから、「でも」を経て「忙しい・慣れている・これくらい大丈夫・一つ省略する」へと崩れていく様子を示す図解。
クレームの手前には、
「分かっていたけれど一つやらなかった」が潜んでいることがある。

そこで、「クレームの手前」を問う

「気をつけて」ではなく、「何が気になる?」

Q今日、少し気になる案件はある?
Qクレームにつながりそうなことはない?
Q今日、一つ丁寧に確認するなら?
Q相手の期待とズレていそうなことは?
Q今日、先に伝えておいた方がいいことは?
Qこの対応、相手からどう見える?
Q今、一言足しておくなら何?
Q誰かに確認しておいた方がいいことは?
問いは、問題が起きる前に、一度だけ「気になること」を意識に上げる。

問いは、顧客視点へ注意を向ける

自分たちの都合ではなく、「相手からどう見えるか」を考える。

仕事が忙しいと、

自分たちの手順 自分たちの都合 自分たちの予定

だけで判断しやすい。そこに、

この対応、相手からどう見える?

という問いを置く。すると、

待たせている 説明不足かもしれない 不安にさせているかもしれない 期待値が合っていないかもしれない

と気づく可能性がある。

問いによって、視点を「自社側」から「顧客側」へ一瞬移す。

問いはマイクロインターベンション

ほんの数秒の問いで、一手を増やす。

「問い→少し気になる→一度確認する→一言伝える→早めに相談する→小さなズレを減らす」という6段階のマイクロインターベンションの流れを示す図解。
問いがクレームを直接減らすのではない。
クレームにつながりやすい小さな抜けやズレに、早く気づく機会を増やす。

毎日クレームを意識させる必要はない

必要な時期に、必要な問いを置く。

例えば、

繁忙期 新サービス開始時 新人配属時 顧客対応研修後 クレーム発生後 繁忙曜日 品質問題が起きやすい時期

など。

問い文化とは、毎日「クレームはない?」と問うことではない。
必要なテーマを必要なタイミングで意識に上げること。

クレームが起きた後にも、問いを使う

「誰が悪かった?」ではなく、「どこで防げた?」

悪い振り返り

なぜちゃんとやらなかった?

問いによる振り返り

Qどこで最初のズレが起きた?
Qいつ気づけた可能性があった?
Q何を一つ変えれば防げそう?
Q次に似た状況が来たら、何を見る?
Q仕組み側で変えることは?

と問う。

問いによって、責任追及から組織学習へ変える。

問い文化のある職場は、小さな違和感を放置しにくい

「ちょっと気になる」が言える職場へ。

問い文化のない職場

違和感
↓
まあ大丈夫
↓
言わない
↓
進める
↓
問題化

問い文化のある職場

違和感
↓
問い
↓
一度考える
↓
相談する
↓
確認する
↓
修正する
問い文化は、大きな問題が起きてから議論する文化ではない。
小さな違和感の段階で考えられる文化でもある。

クレーム予防から、サービス品質向上へ

「問題を減らす」だけではなく、「サービスを良くする」。

問いを持つようになると、

何が不満になるか?
↓
どうしたらもっと喜んでもらえる?

へ問いが進化する。例えば、

Qもう一言説明するとしたら?
Qもう一つできることは?
Q相手が安心するには?
Q期待を少し超えるなら?
Qもっと分かりやすくするなら?
クレームの手前を見る習慣は、
やがてサービスそのものを問い直す視点につながる。

顧客満足度は、小さな仕事の積み重ねから

顧客満足は、大きなサービス改革だけで決まらない。

例えば、

  • 一言先に伝える
  • 返事を少し早くする
  • 確認を一回増やす
  • 相手の希望をもう一度聞く
  • 分かりやすく説明する
  • 約束を忘れない
  • 小さな気配りをする

こうした日常の小さな行動が、顧客体験を形づくる。

問い文化は、社員一人ひとりが顧客体験について少し考える機会を増やす。

フェリコでは、「問い」がサービス側にも広がった

職場を問い始めると、顧客への仕事も問い始める。

専門誌『企業実務』掲載事例では、問いを日常的に取り入れる中で、次のような仕事面の変化が見られました。

自主性 積極性 改善 提案 営業 コミュニケーション 連携 業務推進 能力発揮

さらに、同じ時期に事業面でも次のような変化が見られました。

約2倍顧客単価
約3倍リピート率
2倍超売上(1年間)

※ 問い文化が広がる中で、社員が仕事・顧客・サービス・改善について少しずつ考え、提案や営業、業務推進など複数の行動が変化し、その時期に顧客単価・リピート率・売上にも大きな変化が見られました。問いを置いたことが直接これらの数値を生んだ、という単純な因果関係として示すものではありません。

フェリコから見える「問い文化 × 顧客価値」

社員が職場を問い始めると、顧客への価値も問い始める。

問い文化
↓
社員が少し考える
↓
改善する
↓
提案する
↓
顧客を見る
↓
サービスを少し良くする
↓
顧客体験が変わる
↓
満足・継続利用・単価などの結果に影響する可能性
問い文化は、社内だけを良くする文化ではない。
「どうすればもっと顧客に価値を届けられるか」を考える文化にもなりうる。

これはサービス業だけの話ではない

すべての仕事には、「誰かへのサービス」という面がある。

製造業

  • 品質
  • 納期
  • 説明
  • 営業
  • アフターサービス

医療・介護

  • 患者・利用者の安心
  • 説明
  • 連携
  • 待ち時間
  • 接遇

建設・設備

  • 顧客説明
  • 工程
  • 品質
  • 近隣対応
  • 引き渡し

BtoB

  • 提案
  • 報告
  • 納期
  • レスポンス
  • 顧客理解

管理部門

  • 社内顧客
  • 他部署への説明
  • 手続き
  • サポート
どんな仕事にも、相手がいる。
だから「相手にとってどうか?」という問いは、多くの業種に応用できる。

クレームを個人の接客力だけの問題にしない

現場の一言では防げないクレームもある。

原因には、

商品そのもの サービス設計 品質 人員不足 納期設定 情報システム 権限不足 引き継ぎ 料金体系 説明資料 経営判断

などもあります。

問いは、悪い仕組みを放置して現場に気をつけさせるためのものではない。

経営者・管理職自身にも、

Qこのサービス設計に無理はない?
Q現場が顧客対応しにくい構造になっていない?
Q同じクレームが起こる仕組みになっていない?

と問う必要があります。

問いは、経営者・管理職・社員それぞれに置く

経営への問い

  • 顧客の不満を生む仕組みはない?
  • 顧客価値を下げている社内都合はない?

管理職への問い

  • 今、チームで気になる顧客対応は?
  • 早めにフォローした方がいい案件は?

社員への問い

  • 今日、一つ丁寧にするなら?
  • 相手に一言足すなら?
問い文化では、クレーム予防を現場社員だけに背負わせない。
経営・管理・現場が、それぞれの立場から顧客価値を問い続ける。

問いナッジとして設計する

どのタイミングに、どんな”小さな予知”を置くか。

問いナッジでは、

どんなクレームが多いか その手前で何が起きているか どの場面なら気づけるか 誰に問うか いつ問うか どんな行動につなげるか 重くなりすぎないか 責任追及に見えないか 毎日必要なのか 繁忙期だけでよいのか

を設計します。

問い文化=

顧客や仕事の小さな違和感を問い直せる職場

問いナッジ=

その気づきを必要なタイミングに置く設計方法

実装方法

スコキン

  • 出勤時などに、ときどき顧客・品質・確認・サービスの問いを置く。

問いステーション

  • 接客現場、医療・介護現場、営業拠点などに、その場に合った問いを置く。

セミナッジ

  • 接客研修・営業研修・クレーム対応研修後に、「今日一つ実践するなら?」へ変換する。

その他、

朝礼 チャット メール 紙 会議 ケース振り返り

でもよい。

ツールではなく、クレームの”手前”に考えるきっかけがあることが本質。

専門誌『企業実務』掲載事例から考える
20の企業・職場課題

クレーム削減だけではありません。
問い文化は、さまざまな職場課題に応用できます。

健康経営、残業削減、生産性、売上、離職、研修定着、自発性、自走する組織、管理職負担、行動変容、習慣化、コミュニケーションなど、20の実務課題から「問い」の活用を考えられます。

20の実務課題を見る

こんな企業に向いている

  • クレームが繰り返される
  • 再発防止が形骸化している
  • 顧客の小さな不満を拾えていない
  • 「これくらい大丈夫」が起きやすい
  • 顧客対応を現場任せにしたくない
  • サービス品質を高めたい
  • 顧客満足度を高めたい
  • リピートにつながる仕事を増やしたい
  • 社員自身に顧客価値を考えてほしい
  • 問い文化を顧客対応・品質改善にも活かしたい

御社では、クレームになる”手前”にどんな小さなサインがありますか?

過去のクレームだけでなく、その前にどんな小さな違和感・省略・ズレがあったのかを整理し、経営・管理職・社員それぞれにどんな問いを置けばよいかを設計します。

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