企業の「変わらない」を考えるシリーズ
業務効率化
早くやるより、
そもそもの仕事を問い直す。
「これ、もっと分かりやすくできない?」
「忘れない仕組みにできない?」
そんな小さな問いが、現場の気づきを改善へ変えていく。
問い文化は、日常の“ちょっと不便”を改善の種に変える。
専門誌『企業実務』掲載事例から考える
問い文化 × 業務改善 × 現場力
業務効率化は、「もっと速く」ではない
速くやる前に、やり方そのものを見る。
例えば、
- 二重入力
- 同じ確認を何度もする
- やったかどうか分からない
- 忘れやすい作業
- 誰か一人しか分からない仕事
- 毎回同じところで手戻りする
- 誰も見ない資料を作る
- 不要な会議が続く
こうしたものを、「もっと速くやろう」とするだけでは、本当の効率化にはなりません。
忙しい職場ほど、改善できないという矛盾
忙しいから見直せない。
見直さないから、さらに忙しい。
現場にしか見えない「小さな非効率」がある
改善の種は、会議室より現場にある。
現場社員は日々、
- これ毎回面倒だな
- これ忘れやすいな
- この確認、分かりにくいな
- ここでいつも手間取るな
- これ、もっと簡単にできないかな
と感じています。でも、その感覚が、「業務改善のテーマ」として扱われずに流れてしまうことが多い。
フェリコの「トイレチェック」の小さな課題
ほんの小さな“忘れやすさ”から、改善は始まった。
フェリコのサロンには4つの施術ブースがあり、最大4名のお客様が同時に利用します。お客様がトイレを使用した後には、
- トイレをきれいに整える
- 忘れ物がないか確認する
というチェックを行っていました。これは、清潔さの維持だけでなく、忘れ物によるトラブルを未然に防ぐ危機管理・安全管理にもつながる重要な業務です。
しかし現場では、
- 接客
- 施術
- 電話
- 他のお客様への対応
などが同時並行で進む。そのため、
が起こりやすかった。
そこで、退勤時に「問い」を置いた
注意するのではなく、毎日少し振り返る。
フェリコでは、退勤時の問いとして、
という趣旨の問いを繰り返し置いていました。例えば回答は、
- 毎回できた
- だいたいできた
- 少し忘れた
- 今日は抜けたかも
- 内緒
など。ここで大切なのは、誰がミスしたかを責めるためではない。
問われ続けると、「どうすれば忘れない?」を考え始める
問いは、確認だけでなく改善思考を起動する。
毎日、
- できたか?を少し振り返る
- そもそも、どうすれば忘れにくくできる?
という次の問いが生まれる。ここが重要です。
若手社員から生まれた、小さな改善提案
「終わったことが、一目で分かればいいんじゃない?」
フェリコでは若手社員から、
という提案が出ました。そうすれば、
- ドライフラワーがある=チェック済み
と、一目で分かる。この提案は採用されました。
これは“小さなナッジ”でもある
覚えておくのではなく、見れば分かる。
ドアノブのドライフラワーは、
- 強制しない
- 大きなシステムを入れない
- 複雑なチェック表も増やさない
- 見れば状態が分かる
という、とても小さな環境設計です。
赤羽社長が見ていたのは、「花」ではなく社員の変化
本当に大きかったのは、改善案そのものだけではない。
この事例の本質は、ドライフラワーを掛けるというアイデアだけではありません。赤羽社長が評価していたのは、
- 現場の課題に気づく
- なぜ起きるか考える
- 解決策を考える
- 自分から提案する
- 実際に変えてみる
という社員の変化です。
業務改善の本質は「気づき力 × 提案力 × 主体性」
改善できる組織は、改善担当者だけが優秀な組織ではない。
- 違和感に気づく
- なぜ?と問う
- もっと良くできない?
- アイデアを出す
- 提案する
- 試す
- 改善する
問いはマイクロインターベンション
一問で業務改善するのではない。
一問で、仕事を見る角度を少し変える。
業務効率化の問い
「もっと頑張る?」ではなく、「もっと良くできない?」
今日、一つ減らせる作業は?
もっと一目で分かるようにするなら?
忘れにくくする仕掛けを一つ考えるなら?
今日、二度やった仕事は?
この会議、何を減らせる?
誰も使っていない資料はない?
誰か一人しか分からない仕事は?
今日、一つだけ良くするなら?
「面倒」を、改善の種にする
「面倒だな」で終わらせない。
社員が感じる、
- 面倒
- 忘れやすい
- 分かりづらい
- やりにくい
- 二度手間
は、改善のヒントでもあります。
問い文化のある職場では、改善する人が増える
経営者だけが「もっと効率化しよう」と考える職場から。
問い文化のない職場
- 現場で不便
- そのまま
- また同じことをする
問い文化のある職場
- 不便
- 問い
- 気づく
- 考える
- 共有する
- 提案する
- 変える
経営者・管理職・社員では、問いが違う
経営者・管理職・社員では、問いが違う。
- この業務、そもそも必要?
- 会社都合だけで残っている仕事はない?
- なくしても困らない承認は?
- チームで重複している仕事は?
- 手戻りが多い工程は?
- 一目で分かるようにできることは?
- 今日、面倒だった仕事は?
- 今日、一つ簡単にするなら?
- 忘れにくくするならどうする?
業務効率化は、危機管理・安全管理にもつながる
分かりやすい仕組みは、ミスもトラブルも減らしやすい。
フェリコのトイレチェックも、
- 清潔維持
- 忘れ物確認
- 顧客トラブル予防
という複数の目的がありました。つまり、業務改善は単なる時間短縮ではない。
- 単なる時間短縮で終わらせない
- 抜けを防ぐ
- ミスを減らす
- 品質を安定させる
- 安全性を高める
- 顧客トラブルを防ぐ
DX・AIの前に、「そもそも」を問う
ムダな仕事をデジタル化しても、ムダは残る。
そのまま自動化
- 不要な入力
- → 自動入力にする
そもそもを問う
- 「この入力、そもそも必要?」と問う
- → 必要なところをテクノロジーで改善する
フェリコの事例から見える、問い文化と業務改善
問いを持つ人が増えると、職場を見る人が増える。
フェリコでは、経営者・管理職/現場リーダー/社員へと、問いを考える役割も広がりました。その中で、
- 職場課題への気づき
- 改善
- 提案
- 自主性
- 積極性
- 業務推進
などの変化が見られたものとして扱ってください。
業務効率化と生産性向上は同じではない
減らすことと、価値を高めること。
実務18|業務効率化
- ムダ・重複・抜け・手戻り・複雑さを減らす
実務03|生産性向上
- 限られた時間・人員を、より価値ある仕事へ使う
問いナッジとして設計する
どんな仕事を、どんな瞬間に問い直すか。
問いナッジでは、
- どんなムダがあるか
- どんな抜けが多いか
- 忘れやすい仕事は何か
- 手戻りはどこで起きるか
- 誰に問うか
- 朝か夜か
- 毎日必要か
- 時々でいいか
- 振り返りか予防か
- 改善提案へどうつなげるか
まで設計してください。
- 問い文化=仕事の“当たり前”を少し問い直せる職場
- 問いナッジ=その気づきを起こす問いを日常に置く設計方法
実装方法
実装方法
スコキン
出勤・退勤時に、ときどき業務のムダ・忘れ・改善を振り返る問いを置く。
問いステーション
特定の現場・工程に合わせた問いを置く。
セミナッジ
業務改善研修やDX研修の内容を、日常の改善行動へ翻訳する。
その他
朝礼/チャット/改善会議/紙/ポスター/付箋/ホワイトボードでもよい。
効率化を、人減らしの言葉にしない
余白をつくるための業務改善。
業務効率化を、
- 人を減らす
- 仕事を詰め込む
- 一人あたりの仕事を増やす
- とにかく速くする
と描かないでください。
こんな企業に向いている
こんな企業に向いている
自社に当てはまるものがないか、確認してみてください。
- 現場が忙しすぎる
- 同じミスや抜けが起きる
- 手戻りが多い
- 改善提案が出ない
- 現場の小さな不便を拾えていない
- 業務改善が管理職任せ
- DX・AI導入前に仕事を整理したい
- 若手社員からも改善提案が出る職場にしたい
- 社員の気づき力・提案力を高めたい
- 問い文化を業務改善へ活かしたい
御社には、「もっと分かりやすくできる仕事」がありませんか?
ムダ、抜け、忘れ、手戻り、分かりにくさを整理し、現場自身が気づき、考え、提案できる問いの置き方を一緒に設計します。
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