問いナッジ™
企業の「変わらない」を考えるシリーズ
朝7秒。
残業削減
朝7秒。
「今日の残業見込みは?」と聞いただけ。
匿名の問いを1週間続けたら、
残業が常態化していたスタッフの残業がなくなった。
管理したからではない。
自分で今日の仕事を見通すきっかけが生まれた。
小さく、専門誌『企業実務』掲載事例から考える
問い文化 × 残業削減
朝の出勤時社員が出勤し、これから仕事を始める。まだ残業するかどうかは決まっていない。
今日の残業見込みは?30分/60分/90分/わからない/さっさと帰ります。匿名の問いが、あなたの自己管理を支える。
自己管理が起動した働き方今日の仕事量を考える、一日の終わりをイメージする、時間配分を考える、途中で進み具合を調整する、必要なら相談する、定時付近で仕事を終える。
実際に、何が起きたのか
残業が常態化していたスタッフの残業が、1週間でなくなった。
この事例では、朝に毎日「今日の残業見込みは?」と問いを置いた。回答は匿名。選択肢はシンプルな5択。
30分
60分
90分
わからない
さっさと帰ります
なぜ、匿名の問いでも変わったのか
誰かに見られていたからではない。
誰かに見られていたからではない。
自分で考えるようになったから。
この問いは、こういうものではない
- 上司への残業申告ではない
- 評価のためではない
- 残業許可を得るためでもない
- 名前と紐づいた回答でもない
問いを見た瞬間に、頭の中でこう考える。
今日はどれくらい仕事があるか
何時頃までかかりそうか
どの順番で進めるか
どこで調整が必要か
残業削減のキャズム
「早く帰りたい」と「早く帰れる」の間には、キャズムがある。
早く帰りたい
→
残業を減らす必要も分かっている
→
出勤する
→
すぐ仕事を始める
→
目の前の業務に追われる
→
その日の終わりを見通さない
→
途中で調整しない
→
終業間際に「まだ終わらない」と気づく
→
残業
そこで、朝に未来を問う
未来を先に意識すると、今の行動が変わる。
未来を予測する
→
今日の仕事量を考える
→
時間配分を意識する
→
進み具合を途中で確認する
→
必要なら調整する
→
自分で働き方を整える
選択肢にも、ナッジがある
考えさせすぎない。でも、一瞬だけ未来を考えさせる。
30分
60分
90分
わからない
さっさと帰ります
30分・60分・90分「残業する・しない」ではなく、どれくらいになりそうかを具体的に見積もる入口になる。
わからない見通しがまだ立っていない場合も、無理に答えをつくらず選べる。
さっさと帰ります少しユーモアのある選択肢によって、管理感を弱める、答えやすくする、「今日は帰る」という可能性を自然に意識に上げる。
残業削減から、セルフマネジメントへ
変わったのは、残業時間だけではない。
この事例の本質は、本人が、自分の一日の仕事を自分で見通すようになったこと。
朝に残業見込みを考える
→
一日の終わりを想像する
→
仕事を配分する
→
途中で調整する
→
自分で働き方を整える
「管理する残業削減」と「自己管理を支える残業削減」
残業を減らすために、
残業を減らすために、
管理を増やす方法だけが答えではない。
管理するアプローチ
- 早く帰るよう指示する
- 残業理由を書かせる
- 上司がチェックする
- 残業時間を監視する
- 申請を厳格にする
自己管理を支えるアプローチ
- 朝に一日の終わりを見通す
- 自分で仕事量を考える
- 時間配分を意識する
- 途中で調整する
- 必要なら早めに相談する
- 自分の働き方を振り返る
勤怠管理や労働時間管理そのものを否定しません。
会社には適切な労働時間管理が必要です。そのうえで、社員自身の自己管理を支えるアプローチも加えられます。
会社には適切な労働時間管理が必要です。そのうえで、社員自身の自己管理を支えるアプローチも加えられます。
ただし、問いだけで残業は解決しない
残業には、本人だけでは変えられない原因もある。
人員不足
過剰な業務量
無理な納期
顧客からの要求
属人化
会議過多
承認フロー
システム上の非効率
権限不足
管理職自身の長時間労働
これらが原因なら、業務設計・人員配置・制度・権限・マネジメント等の改善が必要です。
問いは、構造問題を社員の自己責任に置き換える道具ではありません。
問いで支えられるのは、本人が持っている計画力・自己管理力を使いやすくする部分。会社側が整えるべき環境は、別に整える必要があります。
問いで支えられるのは、本人が持っている計画力・自己管理力を使いやすくする部分。会社側が整えるべき環境は、別に整える必要があります。
残業削減で使える「未来を先に問う」問い
残業削減で使える「未来を先に問う」問い
残業見込み
今日の残業見込みは?
優先順位
今日、必ず終わらせたい仕事は?
見通し
今日の仕事、どこまで進めば予定どおり?
相談
今日、早めに相談した方がよさそうな仕事は?
抱え込み
今日、自分だけで抱えなくてもいい仕事は?
中間確認
今の進み方、このままで大丈夫?
振り返り
朝の見込みと、実際はどれくらい違った?
問いを増やせばいいわけではありません。目的に合わせて、負担の小さい問いを必要なタイミングに置く。
問いナッジという設計
「今日の残業見込みは?」も、問いナッジの一つ。
何を意識してほしいか
いつ問うか(朝なのか夜なのか)
未来を問うのか振り返りを問うのか
選択肢をどう設計するか
答えやすいか
管理感が強くならないか
ユーモアをどう使うか
どのくらい続けるか
問い文化 = 日常に自分で考えるきっかけがある職場
↓
問いナッジ = そのきっかけを設計する方法
実装方法
朝の数秒を、セルフマネジメントの入口にする。
スコキン
出勤時に「今日の残業見込みは?」など、その日の働き方を見通す問いを置く。
問いステーション
職場入口や業務開始場所など、その日の仕事を考えやすい場所に問いを置く。
セミナッジ
生産性向上、セルフマネジメント、働き方改革、管理職研修などで学んだ内容を、日常の問いとして届ける。
ツールを導入することが目的ではない。どのタイミングで、何を本人の意識に上げるかを設計することが目的。
自社では、何を朝に問えばいい?
残業の理由が違えば、置く問いも変わる。
見通し不足
今日の残業見込みは?
優先順位
今日、一番終わらせたい仕事は?
抱え込み
今日、誰かに頼めそうなことは?
手戻り
最初に確認しておくことは?
情報共有
今日、早めに共有しておいた方がいいことは?
管理職負担
今日、部下に任せられる仕事は?
御社では、残業がどこで生まれているのか。
その場面で何を問いかけると、自己管理や調整が起動するのか。
から設計する。
こんな企業に向いている
こんな企業に向いている
一部社員の残業が常態化している
「早く帰れ」と言っても変わらない
ノー残業デーだけでは変化が続かない
管理職が残業管理に疲れている
社員自身に時間を管理する力を持ってほしい
残業削減を罰や圧力にしたくない
セルフマネジメントを日常で育てたい
朝の短時間で働き方を整えたい
勤怠管理とは別のアプローチも加えたい
管理するより、自分で考える職場をつくりたい
御社なら、朝にどんな問いを置きますか?
残業の原因がまだ整理できていなくても構いません。「なぜ残っているのか」から一緒に整理し、問いで支えられる部分と、会社側が改善すべき部分を切り分けます。
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企業には、さまざまな「変わらない」があります。気になるテーマから、もうひとつの「変わらない」を見てみませんか。